キャベツ1 起源

この記事は1999年に当時のHP上にUPした雑談です。
内容は当時の状況に基づくものです。
たまたま残っていたので、再アップしました。
だらだら長いですが・・・

キャベツの起源

  キャベツの起源は、紀元前六世紀に地中海に侵入したケルト人が地中海沿岸に自生していた野生種を栽培化したもので、非結球のケールだったとみられる。
  例の「まずい!」で有名な青汁に使われるやつである。
その後、栽培が進められるなかで、葉っぱの数も大きさも大きくなり、結球キャベツもできあがったそうな。

  ブロッコリ、カリフラワーなどもキャベツの仲間である。
昔はキャベツのことを「甘藍(かんらん)」と呼んだが、カリフラワーは「花甘藍(はなかんらん)」だった。
  しかし、それとは別に「キャベツ」「カリフラワー」という呼称もちゃんと使っていたわけで、幼い子どもにとっては混乱のモトだった。カリフラワーについてはさらに「ハナヤサイ」という呼び方まであった。
  夕食の支度をしている婆さんに、
  「裏の畑からカンラン採ってこい」
と言われて包丁を渡されるのだが、畑に立ってよくわからない。
  「これはキャベツで、これはハナカンラン、『カンラン』が一緒だから、こっちだな!」
ということで花甘藍を採っていくと、
  「あほ!これは、カリフラワーじゃないか、キャベツだ!」
と怒られた。
  「カンランっていったじゃないか、カリフラワーってなんだ?」
  カリフラワーを食べると、いまだに幼い頃の混乱を思い出す。あんな環境でよく素直な少年に育ったものだ。
  ところで、カリフラワーだが、食えばうまいのだが、最近の健康ブームとやらでブロッコリに押されているらしい。
  キャベツの仲間といえば、他に、コールラビというカブみたいなのがある。あれはキャベツのいわゆる「芯」だけが肥大したヤツだ。
  キャベツは地中海沿岸が原産だと書いたが、いわゆるキャベツの「結球キャベツ」はヨーロッパに伝搬していく過程でああなったそうだ。一方、地中海東部沿岸の野生種からブロッコリとかカリフラワーができて、地中海北岸で生じたのがコールラビというわけだ(確かではないらしいけど)。
  「キャベツの『芯』好き」というのが確かにいるわけで、そんな偏執的(えきせんとりっく)な人が編み出した新品種だと思っていたら結構古い品種らしい。

  あと、芽キャベツなんかもある。これがキャベツの仲間では最も新しいんだそうだ。それでも、17世紀にはすでに記録に出ているそうで、これだけ世界中に普及しているキャベツだけど、歴史もそれなりにあるわけだ。
 
  芽キャベツといえば、数年前、イギリスのとある地方で芽キャベツの大規模経営を調査したことがある。
  この「とある地方」というのは「ボストン」のことで、米国のボストンと混乱するが、こっちが先なのだそうだ。ということはヨークがニューヨークになったのだから、米国のボストンは「ニューボストン」というべきじゃなかったのか???
  ここは干拓地で、干拓の時にオランダの技術支援を受けたとやらで、建物などにオランダの影響がある。イギリスのど真ん中にオランダの水車なんかが回っているのを見たらなんか???という感じになるぞ。
  ここでは100ha規模の芽キャベツ農家がわずか数戸で農協をつくり、量販店対応のマーケティングをやっている。どちらかというと販売部門のアウトソーシングという感じだ。案内してくれたのはElgro農協のGhoなんとかさん。ややこしいので「エログロ農協の傲慢さん」と覚えていた(どうでもいいことだけど)。
  芽キャベツの収穫と調製は機械化されていて、トウモロコシみたいにがーとやってしまう。普通のキャベツみたいに、ひとつひとつしゃがんで根切りをして箱詰めするなんてことはしない。

  日本では、キャベツに限らず重量野菜は収穫が大変だということで、農家が高齢化しているような産地は衰退している。国とか農機具メーカーなんかが機械化しようとして開発をすすめているが、まだ普及するには問題があるそうだ。
  しかし、芽キャベツのように機械化できるんだったら特に労働力問題なんかも関係なくなるのだろうか。しかし、そうなると大規模にがーっとやれる米国なんかが結局強くなるんだろう。

  芽キャベツなんてどうせ煮込むんだらから冷凍で十分だし。そういえば、洋食屋とかで付け合わせに芽キャベツが出るが、あれなんかも米国からの輸入か?
  困ったもんだ。

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