食品からの被ばくについての消費者アンケート実施中です。

福島第一原発事故以来、いくつかの農産物で国の基準値を上回る放射性物質が検出され、多くの人が食品からの被ばくを心配するという事態となってしまいました。事故現場近隣の農家や産地では、検査と出荷自粛を行い、基準値を超える農産物が出回らないようにたいへんな努力をされています。それでも、消費者のみなさんの不安は消えず、大きな経済的被害が出ております。しかしながら、消費者のみなさんにとっては、自分や家族の命がかかっていることで、どちらが悪いと言えるものではありません。とはいえ、確かな情報が得られないために、消費者のみなさんが慎重にならざるをえない部分も否定できないと思います。

「リスクコミュニケーション」というのが私たちの研究室の大きなテーマのひとつです。リスクに関係するすべての人の間で、当のリスクに関わる情報を共有することが、リスクコミュニケーションの目標です放射線とは何か、人間の健康にどのように影響を与えるのか、。放射線のリスクについて、科学的には一定の研究が行われており、わかったこと、わかっていないことが、整理されて、一般の人向けにも解説されています(たとえば「放射線の影響がわかる本」など)。こうした情報をしっかり説明すれば、一般の人も、放射線のリスクを冷静に理解して対応できる、と考える人たちもいます。どうすれば、こうした情報がうまく伝わるか、説明の仕方に腐心する人もいます。しかし、私たちは、今一番必要なのは、一般消費者のみんさんが、食品からの被ばくについて、どのような不安を抱え、どのようなご苦労をなさっておられるか、また、政府の発表や報道にどういった不満や要望をもっておられるかについて、率直な意見を聞かせていただくことだと考えています。集められる情報も限られた忙しい日々の生活の中で、何を信じていいのかもわからないまま、不安と向き合っておられるだろう、多くのみなさんの声を聞かせていただきたいと思っています。

そこで、本日12月12日から首都圏を中心に5,944部のアンケート調査票の配布を開始しました。12ページもある、答えるのにやや時間がかかるアンケートです。しかしながら、みなさんのお気持ちをお聞かせいただくには、どうしても多くの質問が必要になってしまいます。これでもだいぶ質問数を減らしたつもりですなのですが・・・。もしかしたら、これをお読みの方に質問票が届くかもしれません。その場合は、どうかご協力賜りますようお願いいたします。

結果は、順次、このHP上に公表していく予定です。

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