日本への伝来

  キャベツが日本に伝わったのもかなり古く、江戸時代なのだそうだ。オランダ人が長崎に持ち込んだそうで、非結球のケールだったと考えられている。
  しかし、野菜としては普及しなかったようで、改良されて観賞用として栽培されたらしい。いわゆる葉ボタンだ。
  食べないんだったら「甘藍」じゃなかろう。キャベツは何と呼ばれていたのか?
  調べてみると「オランダナ」または「サンネンナ」だそうだ(『大和本草』1708年)。
  そのまんまや!ちゅうか、あんまりおもしろくないな。
 
  結球キャベツが本格的に栽培されだしたのは明治になってから。欧米の品種が輸入されるようになったからだそうだ。だから、初めて栽培されたのも、港町の横浜や函館らしい。
 
  明治の中頃に、銀座に店を開いた洋食店が、ポークカツレツにキャベツの千切りを添えて出したところ好評を博した。その後、豚カツの普及とともに、キャベツは日本では珍しく生食の形で消費を伸ばした、と『日本の野菜』(大久保増太郎、中公新書1995年)にある。
  ちなみにこの洋食店が新聞に出ていた。(私は知らないが)有名な「煉瓦亭」のことなのなのだそうだ。やっぱこんなところのオムライスは近所の飯屋「たまらん」より旨いのだろうか?
 
  関東の豚肉好きは有名だ。すき焼きも場合によっては豚肉らしい。
  豚カツ屋もたくさんあって、仕事で関東へ行くと昼飯に豚カツ屋へ連れて行かれる。確かにじゅーしーで旨い気がするのだが、
  「できれば、おろしポン酢で食べたい」
が本音だ。
 見回すと、50過ぎのオッサンたちがうれしそうに食べている。肝臓は大丈夫なのだろうか?
  関東の豚カツ屋はキャベツのてんこ盛りだ。「キャベツのお代わり自由」という店も多いらしい。そんなにキャベツが好きなんだろうかと思い、地元の人に聞いてみた。
  「豚カツのキャベツ全部食べる人見ると、どんな人かと思いますね」
と答が返ってきた。
  キャベツも既に「飾り」ということか。
  キャベツが生食の形で消費を伸ばしたというのは、意外と珍しいことだったそうな。
  そもそも日本には、おろし大根や薬味のネギといったごく一部を除いて野菜を生で食べる習慣はなかったそうだ。
  レタスとキュウリにドレッシングをかけて・・・といった生野菜のサラダが普及しだしたのは昭和30年代後半以降のことで、それまではサラダといえばポテトサラダのことだった。蒸かしたジャガイモにニンジンやら混ぜてマヨネーズで味付けしたヤツだ。キャベツは、日本人が生野菜を食い出すはるか60年前から生食されていたことになる。
 
  それにしても生野菜のサラダってうまいのだろうか。
  どうも、あのドレッシングというのがダメだ。
  私が初めて生野菜のサラダを知ったのは小学校の家庭科の時間だった。野菜に油をかけるのか?と仰天した。
  それまでの常識は、トマトには醤油、キュウリに塩、キャベツは当然ウスターソースだった。サラダというのもあったが、わが家もやはりポテトサラダだった。油なんて、炒めるか揚げるかに使う「熱してナンボ」というものと思っていた。
  理科の実験室と同じ造りの薄暗い家庭科教室で、実験をやる要領で油と酢とコショウを混ぜた。そいつを生野菜にかけて食った時のショックはいまだに憶えている。
  時代から言うと、うちの田舎は約20年遅れていたことになるのか?
 
  現在、オヤジになって、キュウリに醤油、キャベツにも醤油、当然トマトも醤油だろ、となってしまった。だから、いまだにあの油はダメだ。口の中がべたべたして野菜の味やらなにやらわからない。
  ああいうものをかけて食べるんだから、実は生野菜って旨くはないんじゃないのか?
  O-157が最近問題になって、カイワレが原因だとかなんとか言っている。しかし、あれは大腸菌だ。肉が原因に決まっている。O-157が付着した肉を切った包丁で生野菜を切る。それを数時間放置するとO-157は生野菜に蔓延するらしい。
  野菜は、ちょっと火を加えると格段に旨くなる。温野菜を食べましょうってことだ。
  なんだか「味の素KK」のコマーシャルみたいになってしまった・・・

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